金光教阿倍野教会

朝のみ教え

お取次の道

私が、金光教学院に於いて修行中に、学院長として御用なさっておられました内田守昌師は、大変立派な先生であられました。厚重なお人柄であられましたから、私はいつも尊敬いたしておりました。その先生がネフローゼ症候群を患われ、入院なされた時のお話です。

★入院されて薬を毎日投与して頂かれ、一週間が経ってもなかなか効果が表れず、医師から「今日も効果が無い。」とばかり言われたそうです。毎日効果がないと言われますと、「もうこれで私は死んでしまうのではないか…。」「私の家族はどうなるのか…。」と心配に捉われて、不安でたまらない日々を過ごしておられたのでした。

★そんなある日、松山成三先生の奥様であられます、松山いち先生が病院にお見舞いに来て下さり「お願いしておりますよ。」と仰せられたそうです。そのお言葉が、すとんと内田師の心に納まり、「そうだ、御祈念して頂いてるじゃないか。この親奥様の願いの中に、すべてお任せしたらいいじゃないか。自分で力んで、あれこれ心配せずともよいじゃないか。」と思うことが出来られたのでした。涙があふれ「今日がおかげ日だ!」と大変有難い気持ちになられたのです。すると次の日に、担当の医師が「内田さん、効果が表れた!薬が効いた!」と告げて下さり、それからどんどんと良くなられて、病院食も美味しく毎日完食され、全快のおかげを頂かれたのでした。

★内田先生ご自身が、お話しなさっておられた中に[自分というものは、なんと我の強いものであるかなあ。自分で欲や我を放そうとすればするほど、それができないものです。ところが「お願いしておりますよ」という、いわばお取次ぎの言葉を頂いた瞬間、しつこい我執が放たれ、心配がなくなり、有難い気持ちにならせて頂いたのです。いのちが承服したのです。なんでもないですね。放してみると、楽になるしありがたいし、ご飯はおいしいし、毎日が生き生きしてくるわけです。]とあります。

★このお道は、生神金光大神様の取次ぎの道です。「自分でする」という心では、無理が出て行き詰まってしまうのです。様々な問題が次から次へと起きてくるものですが、小さな事から大きな事まで、生神金光大神様のお取次を頂き、神様におすがりしながら、取り組ませて頂きましょう。そうすれば、足りないところは足して下さり、また悪癖・悪習慣はお取り払い頂いてゆけるのです。

【金光教阿倍野教会 日参と聴教 おかげは足運びにあり】